僕は風船…

君の風船…


あの日､夜店で初めて逢った君…

他にも綺麗な風船が…

たくさんあったのに…

僕を選んでくれた君…

嬉しかった…


君は僕の紐を手に握り…

どこに行くのも一緒だった…

買い物に行く時も…

友達と遊ぶ時も…

彼氏とデートの時も…

彼氏と喧嘩しちゃった時も…

ずっと一緒…

ずっとずっと…

一緒に居られると思ってた…

君が泣いた夜…

もう二度と彼氏に会えないって知った夜…

君が紐を握る手を緩めた時…

僕は風に吹かれて…

大空に舞い上がった…



僕は風船…

君の風船…


君の手を離れた僕は…

あの夜…

空に舞い上がった僕は…

風に吹かれるまま…

電線に引っ掛かったり…

鳥に襲われそうになりながら…

流されるまま…



そして…

僕は気付いた…

君が居ないと僕は何も出来ない事に…

自分の意志では何も出来ない事に…



僕は風船…

君に何もしてあげられない…

君を元気付ける事も…

君に想いを伝える事も…

君を抱き締める事も…



僕は風船…

僕が出来る事…

君の幸せを祈る事…

君の手からは離れちゃったけど…

君の風船じゃなくなったけど…


君への想いは…

ずっと…

ずっと一緒に…